「求人を出しても、板金工場には誰も来ない」。そんな声を製造業の現場でよく耳にします。問題は業種でも立地でもありません。会社が「選ばれる存在」になれていないことにあります。この記事では、AKISIAが2年間かけて取り組んだ採用ブランディングの改善事例をご紹介します。
1.【課題】人が来ない板金工場と、あきらめかけた採用活動
従業員50名規模のある板金加工工場では、インターネット求人を活用しても応募がほとんどない状態が続いていました。経営者は「板金工場だから仕方がない」と半ばあきらめており、慢性的な人手不足が既存スタッフへの負担となっていました。
現場を詳しく見ると、課題は複合的でした。
- 求人媒体に掲載しても、月の応募数はゼロか1件程度
- ホームページが古く、会社の雰囲気や仕事内容がほとんど伝わっていない
- 面接に来た候補者が、工場や食堂の環境を見て不安そうにしている
- 「うちは中小の板金屋だから」という自己評価の低さが、採用活動全体に滲み出ていた
求人の問題ではなく、会社そのものの見せ方と、働く環境への投資が不足していたのです。
2.【改善】「選ぶ採用」から「選ばれる採用」へ。2年間のブランディング
私がまず経営者に伝えたのは、採用に対する認識の転換です。採用とは、こちらが応募者を「選ぶ」行為ではなく、求職者に「選んでもらう」行為です。この視点の変化が、すべての施策の出発点になりました。
私は現場に入り、中長期の採用計画を経営者と一緒に立て、3つの改善に取り組みました。
- ホームページのリニューアル:現場の雰囲気・社員の顔・仕事のやりがいが伝わるコンテンツに刷新。求職者が「ここで働いてみたい」と感じるかを基準に再構築した
- 食堂・会議室のリニューアル:面接で訪れた候補者が最初に目にする空間を整備。清潔感と「社員が大切にされている」という空気感を演出した
- 従業員満足度の向上:ホームページや環境整備は「外側のブランディング」に過ぎない。最も重要なのは、社員が「ここで働いていてよかった」と思える組織文化を育てることだ
表面的な改善だけでは、採用力は根本から変わりません。内側から会社を磨くことが、最も強力なブランディングになります。
3.【結果】2年後、応募が安定。現場の空気も変わった
取り組みから約2年後、インターネット求人への応募が安定して月1〜2件届くようになりました。50名規模の板金加工工場としては、大きな前進です。
改善前・改善後の変化をまとめると、次のとおりです。
- 改善前:月の応募数はゼロか1件。面接辞退・内定辞退も多かった
- 改善後:月1〜2件の安定した応募。「ホームページを見て来ました」という候補者が増加
「食堂がきれいになって、面接に来た人が驚いていました。会社が変わっていくのを感じます。」 現場スタッフからの言葉
また、環境整備や会社の変化を目の当たりにした既存の社員にも良い影響が生まれました。採用ブランディングは、求職者だけでなく、今働いている社員の誇りにもつながります。
まとめ
採用難の本質は、募集方法にあるのではありません。「選んでもらえる会社になっているか」という問いへの答えにあります。ホームページや環境整備は入口に過ぎず、最終的には従業員が誇りを持って働ける組織文化こそが、最大の採用力になります。
板金加工業において、「うちは中小だから」とあきらめる必要はありません。当たり前の環境を整え、社員を大切にする。その積み重ねが、会社を「選ばれる存在」へと変えていきます。
表面を整えるだけでなく、内側から会社を磨くこと。それが、板金加工業における採用改善の王道です。
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